1. 9月30日に何が変わったか
『金融商品ネットワークマーケティング管理弁法』(《金融产品网络营销管理办法》)は2026年9月30日に施行されました。中国人民銀行、工業情報化部、市場監督管理総局、国家金融監督管理総局、中国証券監督管理委員会、国家知識産権局、国家インターネット情報弁公室、国家外国為替管理局の8部委が制定したものです。効果は数ヶ月単位ではなく数日単位で現れました。
同時に3つの変化が進行しました。いずれも規則本文だけでは見落としやすいものです。
- 金融マーケティングコンテンツの灰色の供給が撤回された。 ローン仲介業者がソーシャルメディアから投稿を削除し、プラットフォームはクリエイター認証のカテゴリそのものを廃止し、インフルエンサーの認証基準が牌照保有者に限定された。
- バンドル販売の金融商品が販売点で分離された。 決済ページが再構成されてクレジットが決済手段から切り離され、主要な通信3社は「0元购機」を全面停止した。
- プライベートチャネルが規制の対象に組み込まれた。 微信のモーメント(朋友圈)やWeChatグループが、公開コンテンツだけでなく対象となった。
この規制で最も珍しいのは、その順序です。プラットフォームは規則を待っていません。効力日の2週間前から動き始めました。
2. 決定的なタイムライン:プラットフォームは15日早く動いた
| 日付 | アクション |
|---|---|
| 9/15 | 小紅書が初の『コミュニティ金融エコシステム公約』を発表。8つの禁止コンテンツ類型を定義し、金融マーケティングには「先に牌照、次に認証」を要求 |
| 9/16 | 抖音が「理财師」認証6,888件を全面取消すると発表。リスクが最も高い、または既に利用者に実際の財産損害を与えたアカウントは永久凍結 |
| 9/18 | 微博が金融クリエイター認証を厳格化し、牌照の保有と照会可能な登記コードを必須化 |
| 9月中旬〜下旬 | ローン仲介業者がモーメントやWeChatグループから一括でマーケティングを削除。「贷款中介集体删除朋友圈」が微博のホット検索に |
| 9/30 | 『弁法』が正式施行 |
| 10/1 以降 | 決済ページがクレジットと決済手段の物理的分離を完了。通信3社が「0元购機」を停止 |
上の4行を見れば方向性は明らかです。プラットフォームは規制をコンプライアンス業務としてではなく競争戦略として扱いました。広告主がまだ征求意见稿を読んでいる段階で、片付けが始まっていたのです。
3. 目に見える変化
以下は、中国で活動するブランドが把握しておくべき具体的で観測可能な変化です。
マーケティングコンテンツが消えました。 9月初旬、ローン仲介のフィードには「秒批即将关闭」「低息」「不看征信」のポスターが並んでいました。9月下旬、証券时报の記者が複数の仲介業者のモーメントをランダムに確認したところ、ポスターはほぼ消滅し、空白かごく仅有数件の日常投稿に置き換わっていました。深センで3年間従事するローン仲介从业者はこう語ります。モーメントとWeChatグループのローン・マーケティングをすべて消去하라。過去に投稿したスクリーンショットも削除せよ。その理由はスクリーンショットを撮られて通報されるのが怖いから。業界で広まった言葉は「以前はモーメントで魚を釣っていた。今は竿を没収された」。
バンドル提供が撤回されました。 通信3社は「0元购機」を全面的に停止しました。金融商品のバンドル販売は十分な明示を必要とし、デフォルト同意は禁止されているためです。
決済ページが再構成されました。 従来、一部の決済プラットフォームではローン商品を残高や銀行カードと並べて表示し、場面トラフィックで「ついでに借りる」ような導線を作っていました。第12条は、非銀行決済機関がローンや資産管理商品を決済手段の選択肢に含めること、また当該商品をマーケティングすることを禁じています。実際、淘宝の決済画面は花呗を独立した信贷欄、余额宝を理財欄、デビット・クレジットカードを銀行カード欄に明確に分けました。微信支付と支付宝も同様の変更を行っています。
認証カテゴリが削除されました。 抖音による「理财師」認証の廃止は、クリエイターが専門的裏付けとして出示していた認証を、違法な銘柄推奨やプライベートチャンネルへの誘導の手段として使っていた手口が無効化しました。
4. 各プラットフォームが実際に行ったこと
| プラットフォーム | 発表内容 | 規模 |
|---|---|---|
| 小紅書 | 初『コミュニティ金融エコシステム公約』発表。牌照+認証を要求し8類型の禁止行為を明示 | 過去6か月で101万篇超の投稿を処分、15.7万余個のアカウントを凍結、477万条超のコメントを是正。境外保険マーケティングだけで1,000以上のアカウントと3,000以上の投稿を专项処分 |
| 抖音 | 「理财師」認証を全面取消。認証基準を厳格化。国境を越えたマーケティング、違法な銘柄推奨、為替投機を专项治理 | 2026年Q3に4.5万条超の違反コンテンツを処分、1,000超のアカウントを凍結。1.5万余条の越境違反マーケティングを処理 |
| 微博 | 金融クリエイター認証に牌照と照会可能な登記コードを必須化 | 年初からのクロスプラットフォーム合計で150万条超の金融コンテンツと16万余個のアカウントを処分 |
| 腾讯 | 金融広告の全面点検。4類型を対象:变相金融营销、開示不全、用語違反、無资质营销 | 広告53件を削除、無金融资质アカウント3件を凍結、5社の無资质または备案欠落の金融主体を特定し整改済み |
| 雪球 | 大型金融クリエイターを重点的に処分 | 22件のアカウントを処分 |
抖音と微博の発表は、違反がどこに集中しているかについて特に示唆に富みます。抖音は資格問題・違反マーケティング・海外展開の3点を明示しました。3点目の海外展開は、国際企業にとって直接関係します。
5. 3つの対応——うち1つだけが機能する
最も示唆に富む証拠は、発表内容ではなく、市場参加者の行動から得られました。
| 対応 | 何が起きたか | 現在の立ち位置 |
|---|---|---|
| 受動的なコンプライアンス | ローン仲介業者は指示に従い、营销物料を削除(過去分も含む) | 適法だが、頼りにしていたチャネルは消えた |
| 回避 | 一部のクリエイターは一晩で登録主体を変更し、牌照を借りていた传媒公司を私募基金公司に差し替えた。または無償コンテンツを止め、有料コミュニティだけを残した | プラットフォームが依然として追いかけている新種 |
| 灰色市場による回避 | あるクリエイターが2,400元で灰中介に「牌照機関」への借用を依頼し認証を取得したと報告 ── その機関はAMAC登録簿に一切存在しない | 脆い。登録簿は公開されている |
| 真正のコンプライアンス | 2026年8月、李晨ら芸能人が保険ライブ配信に登場し、ライブ配信ページに保険执业証番号を掲示。大手損害保険のアカウントも同様に実施 | 新たな基準線 |
重要な区別は単純です。黄色い認証バッジは牌照ではなく、収益のスクリーンショットは资质ではなく、フォロワー数は専門的裏付けではありませんでした。規制はその現実を変えたのではなく、それを執行可能にしたのです。
6. 灰色市場:認証仲介の現在の相場
コンプライアンス強化は需要を影のサプライチェーンへ押しやった。その相場が已经不是秘密です。
| 灰色のサービス | 報告された価格 |
|---|---|
| 金融コンテンツで使う「客座教授」称号 | 5万元〜16万元 |
| 牌照借用(挂靠)サービス | 1,000元から |
| プラットフォーム認証取得のための「存在しない牌照機関」への一回限りの借用 | 報告では2,400元 |
この市場がどう動き始めたかも教えます。複数の認証サービス仲介業者を取材したところ、基金の黄色認証の補助サービスは全面停止しており、理由は「プラットフォームの審査が厳しくなった」ためです。別の関係者は、あるプラットフォームの基金从业认证はまだ「試す価値がある」としたものの、名前の一致が必要だと言いました。「名前・生年月日・性別を送ってくれれば、合致すれば認証が通る。合致しなければ認証は不可」と。
最後のディテールが注目点です。精巧な回避ではなく、公開されている個人データを、防御設計されていない認証検査に当てただけの粗雑な悪用です。報告された1例では、登録されている機関はAMAC登録簿にそもそも存在しません。
7. 牌照保有事業者に課される義務
適法な事業者に課される負担は実在します。禁止事項だけでなく、必須事項を明記すべきです。
| 義務 | 実務上の意味 |
|---|---|
| 本社一括の管理と審査 | マーケティングコンテンツは審査・保管が必要。支店や外注コールセンターが自由に文言を書き換えられない |
| プラットフォームとの書面契約 | 範囲、責任、消費者保護、データセキュリティ、紛争解決、終了時の移行事項を文書化 |
| 再委託の禁止 | 業務を他の仲介者に正式・実質的に渡せない |
| 偽装した教育の禁止 | 「投資家向け教育」「培训講座」を経路とするマーケティング委託は禁止。対価の支払いも不可 |
| 契約一致コンテンツ | 商品名・提供者・販売者・カテゴリ・金利・手数料・リスク警告は、金融商品契約と一致していなければならない |
| 従事者の明示 | ライブ配信・ショート動画・公式アカウントでマーケティングを行う者は、機関の従業員であり、適格で、機関の授権が必要 |
複数の証券会社も、既存プラットフォームとの提携がコンプライアンスに適合しているかの検証を始めています。
ある市の商業銀行が業務運営の転換を示しています。インターネットのマーケティングコンテンツを「商品文言―コンプライアンス審査―チャネル配信―痕跡の振り返り」の4関に分割し、支店や外呼サービス部门的文案変更権限を削除しました。複数の証券会社も、既存のプラットフォームとの提携がコンプライアンスに適合しているかの検証を始めています。
8. 新たな基準:全カテゴリ統一ルールと従事者ライセンス
見落とされやすい構造的特徴が2つあり、初回週間の見出しよりも長い期間に影響を与えます。
カテゴリ横断で統一されています。 弁法は預金・貸出・資産運用・保険・証券・決済に等しく適用されます。中国人民大学の金融政策研究者薛洪言が指摘したとおり、単一の横断的な規則セットは消費者に一貫した保護基準を与え、製品種別によって保護に差が生じていた状態を解消し、競争の重心を文案の競り合いからプロダクト・リスク管理とサービス品質へ戻します。
従事者ライセンスが可視化されました。 「牌照経営」は「持证上岗」まで拡張されました。マーケティング従事者は機関の従業員であり、適格で、機関の授権を持つ必要があります。ライブ配信ページに従事者登録番号が表示されるようになったことは小さな変化ですが象徴的です。資格が今や消費者が判断する瞬間に目の前にあるからです。
9. 国際的なブランドにとっての意味
5つの含意:
- 海外展開は明示的な執行カテゴリになりました。 抖音は資格問題・違反マーケティングと並ぶ3点目としてこれを名指ししました。境外法人から中国居住者に金融商品をマーケティングすることは、灰色の領域ではなく明確な執行対象として扱われています。
- プライベートチャネルは範囲内です。 微信のモーメントとWeChatグループが対象です。WeChatグループへの配信を前提とした法人規模で拡大するマーケティングプランは、これまで求められなかったコンプライアンスレビューを必要とします。
- クリエイター選定の基準が「オーディエンス」から「資格」へ変わりました。 黄色認証カテゴリが廃止・縮小された今、基準はクリエイターのフォロワー規模ではなく、その人物が照会可能な牌照と授権を持っているかです。
- 決済とクレジットを同時に提示できなくなりました。 コンシューマークレジットや月払いを取り扱うブランドにとって、決済画面のデザイン自体は転換の接点ではなくコンプライアンスの接点になりました。
- 認証検査は最も弱い环节です。 名前一致による回避は、個人情報で認証検査を突破できることを示しています。第三者認証に頼るブランドは、それが再検証されることを前提とすべきです。
10. アクションプラン
| 優先度 | アクション | 理由 |
|---|---|---|
| P0 | 微信のモーメント、WeChatグループ、その他のプライベートチャネルの金融コンテンツを点検し削除する | プライベートチャネルは範囲内。業界全体ですでに削除が始まっている |
| P0 | すべてのクリエイターの資格を、プラットフォームバッジではなく発行機関の登録簿で直接再確認する | 黄色認証は牌照ではなく、カテゴリも廃止・縮小された |
| P0 | 自社が管理するすべての決済画面で、クレジットと資産運用商品を決済手段から分離する | 第12条はキャンペーンではなくインターフェースに適用される |
| P1 | マーケティングの承認と保存を本社名義で文書化し、支店と代理店の文案変更権限を廃止する | 第7条は責任を機関に置き、記録の保存を求める |
| P1 | 牌照借用(挂靠)の契約の有無を点検する(非公式なものを含む) | 明示的に禁止されており、灰色市场上でも販売されている手法そのもの |
| P1 | クリエイティブのトーンだけでなく、禁止用語リストに対するスクリーニングを図る | 禁止リストはアカウント処罰付きで執行されている |
| P2 | ライブ配信・ショート動画に出ている従事者が、資格と授権のファイル整備émaされているか確認する | 第16条は、有資格で授権を受けた従業員を要求する |
| P2 | 新規事業線については、無资质の取引先ではなく、牌照を保有した相手を導入する前提とする | 関門はキャンペーン設計から取引相手の適格性へ移った |
11. 重要なポイント
- 『金融商品ネットワークマーケティング管理弁法』は2026年9月30日に施行され(8部委)、初回週間の効果は直ちに確認できた。
- プラットフォームは最大15日早く動いた。 9/15に小紅書が公約を、9/16に抖音が「理财師」認証6,888件を取消、9/18に微博が金融クリエイター認証を厳格化した。いずれも効力日以前である。
- 目に見える変化:仲介業者のマーケティング・コンテンツ削除、通信社による「0元购機」停止、決済ページでのクレジットと決済手段の分離。
- プラットフォーム対応の規模:年初来150万条超の金融コンテンツと16万余個のアカウントが処分。抖音6,888件の認証取消、テンセント広告53件削除、小紅書は6か月で101万篇超の投稿を是正。
- 認証灰色の市場価格が公開:客座教授称号5万〜16万元、牌照借用1,000元から、2,400元で「存在しない牌照機関」への借用と報告。
- 海外展開は明示的な執行カテゴリであり、抖音は資格問題・違反マーケティングと並ぶ3点目として列挙。
- プライベートチャネルは範囲内 —— 微信のモーメントとWeChatグループが対象で、公開コンテンツだけではない。
- カテゴリは預金・貸出・資産運用・保険・証券・決済で統一され、消費者に一貫した保護基準を与え、競争をプロダクト・リスク管理とサービス品質へ戻す。
- 基準は「牌照経営」から「持证上岗」へ移行し、資格と授権が意思決定の時点で可視化された。
- 本記事は情報提供を目的とした規制・プラットフォームポリシーの要約であり、法的助言ではありません。特定の主体やキャンペーンの適用範囲の判断は、あなたと弁護士のみが持つ事実に依存します。
出典
- 中国経済網、施行初日の状況: https://www.ce.cn/xwzx/gnsz/gdxw/202609/t20260930_3243067.shtml
- 経済観察網、認証灰色仲介の動向: https://www.eeo.com.cn/2026/1001/1054076.shtml
- テナントニュース、施行前のプラットフォーム整改: https://new.qq.com/rain/a/20260928A03DZ400
- 証券時報、制度上の意味づけ: https://www.toutiao.com/article/7691097770173743631
- 人民日報、新規施行: https://finance.people.com.cn/BIG5/n1/2026/0930/c1004-40808278.html
- 新浪財経、ライブ配信従事者ライセンス: https://finance.sina.cn/2026-10-01/detail-initstui1354049.d.html